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S物語(29) 『イスタンブールへの道~準決勝』

モウ、ロッベン
モウリーニョ&ロッベン

スチービー物語(29)

  『イスタンブールへの道
    ~準決勝 vsチェルシ』


 (※ 今までの『S物語』 →  

2004年6月に監督がウリエからラファエル・ベニテスに替わりました。
そしてオーウェンがレアル・マドリッドに、マーフィーがチャールトンに移籍し、代わりにシセアロンソがやってきました。

少年期からずっと仲良しだったオーウェンと、親友マーフィーがクラブを離れたことで、スチービーは激しいショックを受けます。


スペインから来た新しい監督の元で、リバプールはイスタンブールへの長く曲がりくねった道を歩むことになります。

対戦相手は・・・


2004/05 チャンピオンズリーグ

グループステージ :
   デポルティボ (バレロン、ディエゴ・トリスタン)
   オリンピアコス (リバウド、ジョバンニ)
   モナコ (サビオラ、アデバヨール)

ベスト16 : レバークーゼン (ベルバトフ)

準々決勝 : ユベントス (ブッフォン、カンナバーロ、
          デル・ピエロ、ネドベド、ズラタン)


カンナバーロ
カンナバーロ


どの試合も決して楽ではありませんでした。
が、オリンピアコス戦やユベントス戦で小さな奇跡を繰り返し、
「失うものは何もない!」
を旗印に次々と強豪チームを破っていきます。

メラー
スチービーによく似たメラー

オリンピアコス スタメン
オリンピアコス サブ


プレミアではイマイチだけどCLには滅法強いルイス・ガルシアの連続ゴール。
本人もビックリ、ヒーピアのゴール。
シナポン、メラー、ルタレックなどの新人によるピッチピチゴール。
そして、我らがキャプテンのマグナム弾。

崖っぷちに追い詰められながらも、ラファの選手交代策が大当たりします。

ネドベド
ネドベド

ユーベ


準決勝から先は、スチービーの言葉でお楽しみください♪




準決勝の相手は自称スペシャルな男
モウリーニョ率いるチェルシだった。


このシーズン、プレミアではヤツラにダブルを喰らっていた。

2月に行われたカーリング・カップ決勝戦は 2-3 で負け、優勝を逃していた。
しかもチェルシの3点のうち1点は 俺のオウンゴールだった。

何としてもヤツラにはリベンジしてやらないと気が済まなかった。


4月27日、1stレグはアウェイ
結果はスコアレスドロー。
スタンフォード・ブリッジで失点しなかったことは満足だった。

問題はアロンソがイエローをもらい、2ndレグを出場停止になったことだ。
グジョンセンのダイブに審判が騙されたのだ。
アロンソは泣きそうな顔で「触ってもいないのに…」と言った。

「気にするな。 
 絶対勝って、お前を決勝戦に連れてってやるから!」


バロシュ

5月3日、2ndレグ
チェルシは傲慢な匂いをプンプンさせながら、アンフィールドにやってきた。

ラファは言った。
「チェルシーは君たちを負かしたと思っているらしい。
 さぁ、彼らが間違ってることを教えてやりなさい。
 シャビのことを忘れないように。」

グジョンセンはアロンソがリーチだったことを知っていてダイブしたという噂が流れた。
更に、チェルシが試合後のパーティ会場を予約したという噂も。

マスコミはあることないこと書きまくって、両チームを煽り立てた。
いつものようにモウリーニョは扇動的な発言で注目を浴びていた。

KOPたちの興奮は天まで届きそうだった。

1985年に「ヘイゼルの悲劇」を起こした罰として、リバプールは7年間ヨーロッパの舞台から締め出され、その後遺症から立ち直れずにいた。
その一方でマンUがトロフィーを掲げるところを何度も見せられてきた。

「俺達はずーーーっと我慢してきたんだ。 
 俺たちの夢を叶えてくれ、スチービー!」

「金がすべてじゃないことを、アブラモビッチに思い知らせてやってくれ!」

  金 vs 歴史

さぁ、今こそリバプールというクラブが本来いるべき場所・・・
チャンピオンになってやろうじゃないかっ。


キックオフの45分前、ウォームアップしようとピッチに出て、自分の目と耳を疑った。
既にスタンドの4分の3が埋まっていて、選手ひとりひとりのチャントが聞こえてきた。

試合が始まるとその歌声はますます大きくなり、全てのパス、全てのタックルに歓声が上がった。

グジョンセンがボールを持つ度に激しいブーイング。
チェルシの選手がパスミスする度に大きな野次が飛んだ。
ヤツラの敵は11人だけじゃなく、4万の熱狂的なスカウスだった。


ルイス・ガルシア

そんな異様な雰囲気の中、たった4分でゴールが決まった。

俺の縦パスに走り込んだバロシュチェフが倒した。
「ペナルティ!!」と俺は叫んだ。

その瞬間、ルイス・ガルシアがどこからともなく現れ、こぼれ球をネットに向かって蹴った。
ギャラスがそのボールを掻き出した。


えっ? 
入った? 
入らなかった? 
どっち???

審判は笛を吹き、ハーフウェイラインを指さした。

「やったぁ、ゴールだ!!」

俺は両手を挙げながらスタンドに向かって走った。
セレブレーション・タイムだ。
サポは狂喜乱舞、スタンドが揺れた。
 
チェルシ面々は審判に激しく抗議した。
「ライン越えてないだろっ!!」

ラインを越えたかどうかは今でも謎のまま。
リプレイをどの角度から見ても、誰にも分からない。

確かなのは、スタンドの熱気が審判に笛を吹かせたことだった。

モウリーニョはブーブー文句を言った。
未だにしつこく文句を言い続けている。
あはは、バカか、ヤツは。

よーし、あれがゴールじゃなかったとしよう。
チェフはレッドカードを受け、ペナルティキックが俺らに与えられたはずだ。
ヤツラはチェフがいなくなった方がよかったとでも言うのか?
そうしたら1-0じゃ済まない、4-0だったかもしれない。
笑わせてくれるよ、まったく。

黙ってろってんだ。 
黙って審判に従うんだ。


俺は急いでハーフウェイラインに走り、仲間に大声で指示をした。
「タイトに。 絶対ゴールを許すな!」
 (※ アウェイゴールルールで引き分けでも敗退)

モウリーニョはベンチから飛び出し、ヤツラの猛反撃が始まった。
敵は13人いるんじゃないかと思えた。

ロッベンがすばやく駆け上がり、(動く山)ロベルト・フートがジャンプし、ロングボールが雨あられと降ってきた。
俺はヤツラを追い駆けるだけで息が切れてゼーゼー。

そんな時リバプールを救ってくれるのはキャラガーだ。
イスタンブールの地に行くことの意味を誰よりも知っている男。
キャラは巨人と化した。
タックル、ブロック、ヘディング!!

キャラは「俺、イエロー喰らうと次アウトなんだ」と言いながらも、ドログバにもフートにも一切仕事をさせなかった。

俺達はひたすら耐えに耐えた。 あと何分?
インジュリー・タイムのボードを見てビックリ。

なぬっ? 6分だと?!!

一体全体どこからそんな数字が出てくるんだ?
もうヘトヘトだった。
さすがのキャラガーでさえ限界を超えていた。

残り数秒という時、グジョンセンの足元にボールが落ちてきた。
蹴った!

グジョンセンだけは絶対ダメだ!!!
ぐわぁああああ! 
これでおしまいかーーっ!!


決まったと思ったが、グジョンセンのシュートは枠の外へ!!
はぁああ、ゴールキックだ。

キャラが笑った。
「俺の両脚に当たったんだ。 
 ヤツのシュートは枠に飛んでたよ。 
 俺はコーナーだと思った。」

そして試合終了の笛が鳴った。

チェルシ

やったぁ!! 
助かったーー!!
イスタンブールに行くのは俺達だ!!


イングランドの仲間と握手をして回った。
ジョン・テリーが「イスタンブールでの成功を祈る」と言った。
本気で言ってるのか?!と一瞬疑った。
今思うに、きっと本気だったと思う。 
大したヤツだ。


ドレッシングルームに戻ると、みんな狂ってた。
「イスタンブールだ! 
 決勝戦だーー!」
シャウトしながら、踊ったり、ハグしたり、ジャンプしたり。

「さぁ、町に繰り出そう!」
俺らはいつもの服のまま、オシャレをした妻やガールフレンドと一緒にバーに行った。

いつものように、キャラは率先して歌い踊った。
疲れなんか吹っ飛んでしまった。


翌日キャラがウチにやってきて、一緒にスカイのハイライトを見た。
グジョンセンのシュートを見て、キャラが笑った。

「完璧にコーナーだ!!」


その晩リーセと聖トーマスホテルで待ち合わせて、PSV対ミランの準決勝を見た。
「PSVと当たる方がいいなぁ… ミランはヤダなぁ…」
しかしミランが勝ち進んだ。

帰りの車の中で思った。
「イスタンブールは地獄になるな。」





『S物語』 やーっと私が生で見た試合のところまで来ました。
どれもこれも忘れることのできないゲームばかり。

普段インタビューを受ける時のスチービーは、悲しそうな顔でボソボソと無難な話をするばかりで、どこにそんな闘志が隠れているのかと思いますよね。
でも自叙伝ではチームメイトのこと、対戦相手のこと、監督やスタッフのことetc. 包み隠さず本音で語ってくれます。

モウリーニョやラファに対しても容赦ありません。
ちょちょっ、そんなことまで言っちゃって、本人が読んだら気分悪くするんじゃないの?って心配になるほど。
だから読み物としても本当に面白いです。



オリンピアコス戦

リバウド率いるオリンピアコスから必要な3点を取り、なんとかノックアウトステージ進出を果たしました。
私はこの試合ですっかりリバポの虜になりました。

この試合はミラン戦、ウェストハム戦と並んで、みんなの記憶に残るゲームとなりました。
3つの試合に共通するのは、崖っぷちに追い詰められた時に爆発するスチービーの鮮やかなゴール!
ハイライトシーンだけでは十分に伝わらないドラマチックな展開。

底力、スポ根漫画、ケツ火etc. いろんな形容がされるリバポの体質。
2012年もその体質は変わっていません。

すんなりと楽しく勝つゲームが好きなら、リバポポはやめた方がいいです。
地獄と天国を往復するようなゲームが好きなら、病み付きになります。



もしチェルシ戦を保存してる人がいたら、グジョンセンのシュートシーンを確かめてください。
キャラの脚に当たっていたかどうか。

チェルシにしたら、悔しいゲームだったでしょうね。
でも、それはお互いさま。
審判が味方になることもあれば、敵になることもある。
運の女神の微笑みを得たものが大耳をゲットできる。


さぁ、次はいよいよイスタンブールのエピソードですよ。

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