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S物語(32) 『イスタンブールの奇跡~延長&PK』

その瞬間
トラオレとスミチェルww


スチービー物語(32)
  『イスタンブールの奇跡~延長&PK』


 (※ 『S物語』目次 → 

仰向けになって痙攣寸前のフクラハギをマッサージしてもらった。
これから始まる延長戦の30分が終身刑に思えたが、マッサージのお蔭でなんとか動けるようになった。


延長戦

セルジーニョがまた猛烈な勢いで俺に突進してきた。
なんだぁ、コイツ、バイクにでも乗ってるのか?!

子供の頃から俺はタックルに命を懸けてきた。
エネルギーが尽き果て、脳みそがストップした時、俺の体は「本能」に従って全力でタックルするようにプログラミングされていた。

ミランに点を入れさせるナ!!
俺は長い脚を伸ばして、何度も激しくセルジーニョにタックルした。


誰もが限界を超えていた。
ルイス・ガルシアやスミチェルのような軽量級の選手もライオンのように戦った。

キャラも痙攣寸前だったが、戦火の指揮官のように頼もしかった。
キャラがフクラハギをポストに押し付けて痛みを和らげているのが見えた。
俺もポストの近くにいれば…

しかし、泣き言を言っている場合ではない。
キャプテンとして強くあらねば!
絶対優勝するんだ!


そんな中でも、ミランの選手、とりわけシェフチェンコに対してリスペクトを払うのを忘れなかった。
以前、あるチャリティマッチで同じチームになって話をしたことがある。

シェフチェンコはストライカーの王様だ。
ウクライナ人をタックルした後は手を差し伸べた。
延長前半が終わった時、「グッドラック」と声をかけた。


延長22分 
ガットゥーゾに代わってルイ・コスタが入ってきた。

そして延長戦も残り2分となった時、ネットからわずか2ヤードのところにいたシェフチェンコの元にボールが来た。

「あぁ、終わった!!」と覚悟した。

ところが、そのヘッダーをデュデクがブロック!
目の前に落ちたこぼれ球をシェフチェンコがもう一度蹴ったが、デュデクは倒れたままクリア!

スッゲーーッ、ダブルセーブだっ!! 

オッシャ~、運の女神はレッズの方にいるぞ!


ビックリ!



延長戦が終わり、PK戦で決着つけることとなった。
俺の中には、安堵感、プライド、緊張、不安など複雑な感情が交錯していた。

ラファがピッチに入ってきて、キッカーの選択をした。

「ノー」とトラオレが言い、「ヤー!」とキャラが言った。
キャラはPKが大好きなんだ。


更にハマン、アロンソ、俺、スミチェル、シセ、リーセ、ルイス・ガルシアがYESと言った。
この8人の中から、ラファはスタートの5人を選んだ。
ハマン、シセ、リーセ、スミチェル、俺の順だった。

5番目か、オッシ!

プレッシャーが一番強くのしかかるのが5番目のキッカーだ。
俺はスパーズ戦でPK失敗した時、「もう二度とPKは蹴らない」と言ったが、あれはウソだ。
PKは得点のチャンス。
キャプテンとして、5番目のキッカーを受けてやろうじゃないか。



PK合戦


PK合戦

メフート・ゴンサレスのところに行って、マルディーニとコイントスをした。
キャラに「もしトスに勝ったら、先行を選べよ!」と言われたのに…
なんてことだ!!
この夜、俺は3回ともトスで負けた。

マルディーニは「先に蹴ります」と言った。

さらにミランサイドのゴールが選ばれた。
ネット裏のファンは発煙筒やヤジを飛ばして可能な限りの邪魔をしてくるに違いない。



しかし、俺たちには秘密兵器があった。
キャラだ。
デュデクがゴールマウスに向かう時、キャラが呼び寄せてこういった。
「スパゲッティ・レッグをやれ!」
デュデクはポカン?となった。

キャラはデュデクの目の前で、両手をブンブン振って説明した。
1984年スタジオ・オリンピコでローマと闘った時、伝説のGKブルース・グロベラーが足をグニャグニャさせてPK戦を制し優勝した時のことを。

デュデクはキャラの物真似を見て理解したようだ。
ラインの上に立つと、熱湯をかけられた猫みたいにピョンピョン跳ねた。

俺たちはハーフウェイラインで一列になって肩を組み、その様子を見つめていた。



最初のキッカーはセルジーニョだった。
哀れなブラジル人はデュデクのダンスに惑わされ、大きくふかしてしまった。

ルイス・ガルシアとリーセが俺の肩をギュッと握るのを感じた。

「イエーーッス・ウィー・キャン!!」


「さぁ、ハマン、行けーっ!」

ハマン

ハマンは堂々としていた。
何があろうと決してパニくることのない、経験豊かなドイツ人だ。
ちょっとタイミングをずらすと、キッチリと決めた。

後になって、ハマンがその時骨折していたことを打ち明けてきた。
ふたりで笑ってしまった。



続いて、デュデクはピルロのペナルティをセーブした。
やった!



シセ

長い助走からシセが決めた!
やった!



ミランはトマソンが初めて成功。



リーセ

リーセの番が来た。
「行けー、リーセ! ネットを突き破れー!」

いつもは力任せに蹴るリーセだったが、この夜は慎重に左下ギリギリを狙い、守護神ジーダにブロックされてしまった。

打ちひしがれて戻ってくるリーセにかける言葉が見つからなかった。
どんなレジェンドだってPK失敗の話なんて、まっぴらゴメンだ。



カカーがデュデクを破り、2-2となった。



スミチェル

4人目はスミチェル
正直言って、スミチェルがペナルティマークに向かって歩いている間、俺は戸惑っていたんだ。
この後退団することが決まっているスミチェルを どうしてラファは選んだのか?
アイツのメンタルは大丈夫なのか?

しかし、俺の疑念はすぐに消えた。
ファンタスティックなキックでネットを揺らすと、リバプールのバッジにキスをしながら戻ってきた。

後になってスミチェルはこの時痙攣を起こしていたことを教えてくれた。
そんなことは誰も気づかなかった。

最高の男だ!

リバプールの選手として最後のキックをクールに決め、去って行ったアイツのことを俺は一生忘れない。



ミラン X X O O

リバポ O O X O




シェフチェンコ

ミラン5人目のキッカーはシェフチェンコ
シェフチェンコは失敗を許されない。

「アイツはやるだろう」と思った。
世界最高のキッカーだ。
強く正確なPKを蹴る姿を何度も見たことがある。

だが、延長戦でのダブルミスで混乱していたのだろうか?

俺たちの新マインド・マスターであるデュデクは ボールを渡す時に上からシェフチェンコを見つめ倒し、ライン上で踊り、蹴る瞬間一歩前に飛び出した。

シェフチェンコのキックは弱々しく、コースは甘く、デュデクに阻止された。



飛び出し

Yeeeessss!

俺は歓喜の雄叫びをあげた。
次のペナルティを蹴るのは俺だったが、もう蹴らなくていいんだ!

終わった!


やったぁ!


ばんざーーーい!!


\(`∇\) (/`∇)/




トータルスコア

得点者


   ― 授賞式につづく ―




・私はスチービーのシュートはもちろん大好きですが、タックルはもっと好きかもしれない。
俊足のセルジーニョにほぼ100%競り勝ったスチービー、素敵すぎます!
タックルの玉手箱や!
タックルと同時にキャプテン・マークが腕からずり落ちるのも、この頃の風物詩でした。


・スチービーがシェフチェンコに「グッド・ラック」と言ってる場面はTVにもアップで映っていて、微笑ましかったです。


・延長15分にスミチェルが倒れ担架が来て、21分にキャラが倒れ担架が来たけど、二人とも自力で立ち上がって気力だけで戦っていましたね。

ミランもマルディーニやピルロが痛そうな顔をしていました。
いつも思うけど、延長戦に入った時は、交代枠をあと1~2人分増やすようなルールにすればいいのに・・・


・デュデクのダブルセーブは凄かったですね。
あの時、生で見てた私は足がピクってなって攣ってしまいました。

延長終了間際のハマンのドリブルもカッコよかった。
シュクブルを思い出しちゃった♪


・この試合、全ての得点が向かって右のネットで決まったのですよね。
左のネット裏にいた人たち、お気の毒さま。。。


・キャラがPK好きという話は以前にも出てきましたよね。 
エピソードとしては最高に面白いけど、W杯2006年ドイツ大会・準々決勝のイングランド代表対ポルトガル代表のアレを思い出してしまって、キャラが選ばれなくてよかった♪ と思いました。

ルイス・ガルシア


・さすがのスチービーも5番目のキッカーとしてのプレッシャーは半端なかったようで、蹴らなくていいと分かった瞬間 この悦びよう。 
カワイイ(*´ω`)


・リバプールサポなら誰でも、このPKの一部始終を思い出すことができるはずです。

特にセルジーニョが失敗した時の顔は忘れることができません。 悔しがってユニの首元を引っ張る姿が滑稽な感じがしました。
スチービーからはボールを取られまくったし、彼にとっては地中深くに葬ってしまいたい試合だったことでしょうね。


キャラ

・それにしても、デュデクの不思議な踊りと言ったら…
ドラクエシリーズの混乱の呪文を連想してしまいました。


・文中に出てくるグロベナーが活躍した1984年ローマ戦のメンバーを調べてみました。 

ローマ戦

レジェンド勢揃い!
現在でも解説者や監督としてよくお目にかかるオジサマたちですね♪

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